平屋の間取りで3LDKをつくりたい!計画時のポイントを解説
平屋 とは、階層が1階建ての建物のことです。一軒家と聞くと、多くの方は2階建ての建物をイメージするでしょうが、最近では平屋を建てる方も増えています。そんな平屋の間取りは、3LDKであることが一般的です。
そこで、今回は一戸建てを購入するにあたって平屋を検討している方向けに、平屋間取りの種類や3LDKで平屋を建てるメリット、デメリットなどを解説します。3LDKの平屋間取りのアイディアも一緒に取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。
3LDKの平屋間取りの種類
3LDKで平屋の間取りを設計する場合、さまざまなパターンがあります。以下では、3LDKの平屋間取りについて取り上げるため、それぞれの特徴や利点をひとつずつチェックしていきましょう。
I字型
平屋のなかでも一番シンプルな間取りがI字型です。構造的に細長い土地に対応が可能なほか、建物に沿った窓を配置しやすく、風通しのよさも確保できます。風通しがよい家は湿気がこもりにくいため、日本の高温多湿な夏場でも快適に過ごしやすい家になるでしょう。
ただし、単調な印象になりやすいのが欠点です。プライベート空間も確保しにくいため、設計の段階で工夫が必要になります。
コの字型
コの字型の間取りも、平屋では人気の間取りのひとつです。コの字型の平家は、凹んでいる部分が外に向かって開かれています。室内にいながら外の景色を楽しめるため、開放的な気分を味わえるのがメリットです。
また、中庭を設けることで子どもの遊び場も確保できます。個性的な外観のため、デザイン次第でおしゃれな雰囲気の住宅にも仕上げやすいです。
一方で、凹凸が多い間取りのため、建築費用も高くなりやすい点がデメリットとして挙げられます。中庭を設ける場合は、窓が多くなり、家の断熱性能などに関わる場合があります。窓の種類や性能などを気にする必要があります。
ロの字型
中庭の周囲を建物で四角く囲むのが、ロの字型の間取りのスタイルになります。そのため、外部からの視線が気にならず、プライバシーを確保しやすいです。
中庭に面する部屋に窓を設ければ、屋内にいながら中庭の雰囲気や、明るい日差しを楽しめます。また、デザイン性に優れており高級感を演出できるため、モダンかつファッショナブルな住宅が欲しい場合はロの字型の間取りがおすすめです。
ただし、中庭を中心に部屋を配置する間取りになるため、圧迫感がないように広い土地を用意しなければなりません。また、周囲を建物に囲まれている中庭は水はけが悪くなりがちです。カビや腐食につながりやすいため、排水経路はしっかり考えておきましょう。
また、コ字型同様に窓の種類や性能を気にする必要があります。
L字型
L字型の平屋は、複雑な土地にも対応できる点が強みです。土地の形や立地によっては重機が持ち込めず、工事費用がかさむばかりか、工事自体が行えないケースは珍しくありません。しかしL字型の間取りであれば、土地の形の影響を受けずに建築できる可能性があります。
また、一般的な正方形や長方形の住宅とは異なる、デザイン性の高さも魅力です。採光や通風を確保しやすい、プライベート空間を確保しやすいことも、L字型の平屋のメリットといえるでしょう。一方で、間取りの自由度が 低い点がデメリットとして挙げられます。
こちらの記事では、スタイリッシュスタイルやホテルライクなマイホームなど、さまざまな平屋の間取りの成功例を紹介しています。失敗例と対策もあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。
3LDKの平屋のメリット・デメリット
さまざまな間取りが存在するなか、平屋の間取りで3LDKが一般的であることには、きちんとした理由があります。平屋の間取りを3LDKにすることでどのようなメリットがあるのか、またデメリットがあるのかについて、順番に解説しましょう。
メリット
3LDKの平屋のメリットとして、動線が短くて暮らしやすい点が挙げられます。動線とは、読んで字のごとく動きを線で表したものです。動線には家事動線や生活動線などがあり、快適に過ごせる住宅を実現するにあたって必ず考慮しなければなりません。
平屋の場合、キッチンやリビング、風呂などがワンフロアにまとめて存在しているため、家事動線や生活動線が短く、生活がしやすいことが強みです。
すべてが小さくまとまっていると思う方もいるでしょうが、3LDKの間取りの場合、4人家族までなら子ども2人の部屋と夫婦の寝室は確実に用意できます。それぞれの部屋に収納を設ければ、余裕のある収納スペースも確保可能です。
家族の距離感が近い点も3LDKの平屋のメリットです。2階建ての住宅で、2階に子ども部屋がある場合、子どもが自分の部屋に閉じこもってしまい、会話が極端に減少するケースがあります。親とのコミュニケーション不足は、子どもの人格形成に影響を与えかねません。
しかし、平屋は部屋と部屋の距離が近いため、コミュニケーションを取る機会が自然に増えます。間取りを工夫すれば、リビングから常に子どもの様子を確認できるような家も実現できるでしょう。
また、上下の移動がないため、老後も生活がしやすい点も強みといえます。
デメリット
3LDKの平屋にはさまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。まず、部屋によっては日当たりが悪くなる可能性があるでしょう。
平屋はワンフロアにすべての部屋が存在しますが、中心にある部屋は光が届きにくいです。もしあとから周囲に2階建て以上の建物ができてしまうと、極端に日当たりが悪くなる可能性があります。
また、平屋は1階建てのため、2階建て以上の建物と比較すると侵入されやすく、空き巣をはじめとする犯罪のターゲットになりやすいです。
建物自体が低いことでもたらされるデメリットとしては、水害の被害を受けやすい点も挙げられます。土地選びから始める場合、自治体のハザードマップを確認して水害のリスクがないかしっかり確認しておきましょう。
そのほかにも、プライベートが確保しにくい、広い土地を用意しなければならない、固定資産税が高くなるなどの欠点があります。
3LDKの平屋建築にかかる費用
フラット35利用者調査(2022年度集計)によれば、福岡県における注文住宅の建築費用相場は約3,625万円 です。平屋の場合は、一般的な2階建ての住宅よりも屋根と基礎部分に余計に工事費用がかかるため、2階建てよりも2〜3割程度 高くなります。
土地を新しく購入するのであれば、上記の費用に加えて土地代がかかる点も覚えておきましょう。もちろん、実際にどの程度お金がかかるかは、仕事を依頼する住宅会社やハウスメーカーによって異なります。
そのため、実際に仕事を依頼する前に、複数の住宅会社やハウスメーカーから資料を取り寄せたり、問い合わせをしたりして、費用相場の比較を必ず行いましょう。
辰巳住宅株式会社でも、新しく家を建てる方向けに資料やカタログの配布を行っています。興味を持った方は、ぜひ一度公式サイトから問い合わせてください。
3LDKの平屋間取りを考える際のポイント
家を建てる際、建売住宅でない限り間取りを自分で考える必要があります。しかし「どのような間取りにすれば快適な家が建てられるかわからない」とお悩みの方もいるでしょう。
もし3LDKの平屋間取りを考える場合は、以下のポイントを押さえるようにしてください。
採光と通風の確保
平屋の間取りを考えるにあたって、採光と通風は確実に確保してください。平屋は、構造の問題で窓をひとつの方向にしか設置できず、採光と通風の問題を抱えるケースがあります。
採光が悪いと日中でも家が暗くなるため、常に電気を使用せざるを得なくなりますし、通風に問題があると湿気がこもり、家が劣化しやすいです。
もし窓を同じ方向にしか設置できない場合は、窓を取り付ける位置を高くして日当たりを確保したり、採風をしやすい窓を選ぶのも大切です。また、風通しをよくしたい部屋は、2面に窓を配置できる角に配置するのをおすすめします。
家事動線と生活動線
間取りを考える際は、家事動線と生活動線も考慮してください。平屋はワンフロアの面積が広いため、動線も長くなりやすいです。
動線の悪さは、暮らし始めの段階ではそこまで気にならないかもしれません。しかし、家事や生活の効率が悪いと少しずつストレスとして蓄積されていき、生活の質も落ちてしまいます。
効率のよい動線を考えるポイントは、実際の生活をイメージすることです。一日の行動や家事内容を洗い出して、どのような部屋の配置にすればスムーズに行動できるか考えてみましょう。また、動線を短くしたい場合は、水回りを1箇所にまとめるのがおすすめです。
こちらの記事では、家事動線のよい間取りについてさらに詳しく解説しています。家のサイズごとにポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
寝室と子ども部屋の配置
平屋はすべての部屋が同じフロアにあるため、どのように住人のプライバシーを確保するかが課題になります。とくに、寝室と子ども部屋の配置には気を配りましょう。
子ども部屋と寝室がどうしても離せない場合は、収納や廊下を挟むと音がほかの部屋に伝わりにくくなります。また、子ども部屋と寝室の間に収納や廊下ではなくリビングを挟めば、プライバシーを確保するだけでなく、コミュニケーションを取る機会を増やすことも可能です。
玄関の位置と道路の方向
玄関の位置や道路の方向も、平屋の間取りを考える際に重要なポイントです。玄関を南側にした場合、明るさが確保できることが利点ですが、必然的にリビングや居間が北向きになってしまい、採光で不利になります。
一方、玄関を北向きにした場合は、リビングや居間に光を取り込みやすくなりますが玄関が寒くなってしまうのが欠点です。基本的に道路と玄関の位置に絶対の正解はないため、自分が何を重視するか明確にして玄関の位置や道路の方向を決めましょう。
3LDKの平屋間取りのアイディア
最後に、3LDKの平屋間取りのアイディアをいくつか紹介します。平屋間取りをこれから考える方は、ぜひ参考にしてください。
ランドリールーム
ランドリールームとは、洗濯作業に特化したスペースのことです。平屋の場合、ランドリールームを設けることで洗濯をする、畳む、アイロンがけをするなど、洗濯に関する一覧の作業をひとつの場所でまとめて行えるため、家事動線を短くできます。
また、ランドリールームはそのまま物干しスペースとして活用することが可能です。室内干しにすれば天候の影響を受けずに洗濯物が干せますし、花粉や排気ガス、PM2.5などが洗濯物に付着する心配もありません。プライバシー性や防犯性も高く、小さな子どもがいる家庭にもおすすめです。
シューズクローク
シューズクロークとは、玄関まわりで使用するアイテムを収納するスペースのことです。靴箱が靴の収納に特化しているのに対して、大きいシューズクロークであればコートや傘、ベビーカーなども収納できます。
棚やハンガーパイプを設置すれば、限られたスペースをさらに有効活用することが可能です。
パントリー
パントリーとは、食器や食品を収納するスペースのことです。食品や飲み物のストックのみならず、キッチン用品や保存食の備蓄も収納できます。
子育てが忙しく、頻繁に買い物に行けない方におすすめしたい設備のひとつで、動線上に設置すれば、効率よく家事を進められるでしょう。
勾配天井
勾配天井とは、その名のとおり屋根の勾配に合わせて斜めにした天井のことです。平屋は建設する場所によっては窓を設置できる場所が限られてしまうため、光をより多く取り込める家を建てたい場合は高い位置に窓を設ける必要があります。
勾配天井であれば、部屋の高さが増すため、通常よりも高い位置に窓を設置し、採光性を高めることが可能です。
小屋裏スペース
天井のデッドスペースを活用したい場合は、小屋裏スペースの活用がおすすめです。小屋裏収納とは、天井と屋根の間にできたスペースを活用した収納のことで、生活スペースを圧迫せずに大容量の収納スペースを確保できます。 小屋裏スペースを趣味のスペースや子供のプレイルームにすることも検討できます。
また、収納スペースのみならず、子どもの遊び場や趣味部屋、フリースペースなどの役割を果たしてくれる点も魅力です。
ウッドデッキ
開放的なプライベート空間を確保したい方におすすめしたいのが、ウッドデッキです。庭の一部でもあり、自宅の一部でもあるウッドデッキは、簡易な荷物置き場や一家団欒のスペースとして活躍してくれます。
また、日当たりがよい場所にウッドデッキを設置すれば、物干しスペースとしても活用できるでしょう。
平屋の面積は、夫婦と子ども1~2人までの家族であれば30坪前後が一般的です。こちらの記事では、平屋30坪で考えたときの間取りについて紹介しています。
まとめ
以上、平屋の種類や3LDKで平屋を建てるメリットとデメリット、間取りを考える際のポイントなどについて取り上げてきました。
平屋と一口にいってもさまざまなタイプがあり、それぞれ異なる強みと弱みがあります。自分がどのような住宅を求めているのか明確にしたうえで、満足できる家づくりを進めましょう。
もし家づくりに行き詰まり、間取りのアイディアが浮かばない場合は、辰巳住宅株式会社に相談してください。辰巳住宅株式会社は、平屋建築に関する豊富な経験とノウハウを有しているため、適切なアドバイスの提供が可能です。
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